Itemized Deduction：項目別控除の州税および地方税（State and Local Taxes: SALT）控除の上限が増額されました。
現行の2017年減税・雇用創出法（Tax Cuts and Jobs Act of 2017: TCJA）では上限が10,000ドルでしたがOne Big Beautiful Bill Actでは2025年の上限額を4万ドルに引き上げました。
2029年までの限定で毎年1%ずつ引き上げられ、2030年には1万ドルの上限に戻されます。
但し、上限額は納税者の修正調整総所得が一定額を超える金額の30%が減額されます。この一定額とは2025年には50万ドルで、2029年まで毎年1%ずつ引き上げられます。
項目別控除で対象となる諸税額を下記に説明させていただきます。
State and Local Income Tax：州・市等の所得税
源泉徴収票（W-２）に記載されている源泉徴収された税金と予定納税として支払った税金の合計が控除の対象です。
- 但しペナルティや延滞税として支払った利息は除く
- 納税者はこれらの所得税の代わりにSales Taxの控除を選択することも可能
所得税のない州として；
アラスカ、フロリダ、ネバダ、サウスダコタ、テネシー、テキサス、ワシントン、ワイオミング州
Real Property Tax：固定資産税
土地や建物などの不動産に課せられる税金で米国内にあるものに限定され、米国外の不動産は対象外です。
- 所有する不動産の件数は問わず
Personal Property Tax：動産税
所有する機械、備品、その他の設備などの動産に対して州、または地方自治体が課す税金で、州でのみ適用されます。
アラバマ、アラスカ、アリゾナ、アーカンサス、カリフォルニア、コロラド、コネティカット、フロリダ、ジョージア、アイダホ、インディアナ、カンザス、ケンタッキー、ルイジアナ、メイン、メリーランド、マサチューセッツ、ミシガン、ミシシッピー、ミズーリ、モンタナ、ネブラスカ、ネバダ、ニューメキシコ、ノースカロライナ、オクラホマ、オレゴン、ロードアイランド、サウスカロライナ、テネシー、テキサス、ユタ、バーモント、バージニア、ワシントン、ウエストバージニア、ワイオミング、ワシントンDC
Foreign Income Tax：米外国所得税
項目別控除の一つとして米国外の所得税も控除が可能です。
- 米国外での稼得収入や受取利息、配当、家賃収入等に課される米国外の所得税
- 米外国の所得税は外国税額控除、または項目別控除の選択が毎年変更可能
対象外の税金として
- 関税または輸入税
- 連邦遺産税および贈与税
- 連邦所得税および物品税
- 駐車違反やスピード違反などの法律違反に対する罰金または罰則
- 登録料（結婚、運転免許、犬、トレーラー、ボート等のLicense Fees）
- 社会保障、メディケア、鉄道退職税等
以上
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