ジョー バイデン氏が46代の米国大統領に選ばれましたが(認めていない方々もいらっしゃいますが)公約が記載されているWebsiteでは$400,000以下の収入の個人に対して増税はしない代わりに、裕福な個人と企業から税金を取ると言っており、主な増税計画は以下の様です。

1, 法人税を28%に上げる

2, 法人に対しミニマム税15%を課す

3, 海外に所在する米国企業が上げた全ての収益に対し21%のミニマム税を課し、タックスヘブンの競争を終わりにする。

4, アメリカで製品を売る為に、アメリカ人の仕事を海外へ流出させた場合は、税制上ペナルティーを課す。

5, 個人税の最高税率を39.6%に上げる

6, $1 Million以上の収入がある個人に対し、投資からの利益には労働からの収入と同じ税率を課す

バイデン氏のWebsiteを見ると、本当にたくさんの事が書かれているのですが、大きく分けると、COVID-19への対応策、経済の回復、ヘルスケアプラン これら3カテゴリーが当面の課題なのだろうというのが良くわかります。詳細にご興味がある方は以下のリンクをご参照ください。

https://joebiden.com/joes-vision/

中国に対しての政策は?と思われる方もいらっしゃると思いますが、大方の予想はトランプ政権と同じ方向性との事なので、貿易戦争はまだまだ続きそうです。

とはいえバイデン氏が語っている増税が全て議会で可決するか?というと上院で共和党が過半数を占めれば、それはそれでかなり難しくなりそうです。アメリカでは税法とそれに関連したガイダンスもギリギリまで決まらなかったり、ガイダンス無しで、とりあえずやってみてから調整していくような場合が多いので、来年も税務にかかわる人々は振り回されそうです。現場では税法が決まり次第、米国歳入庁から申告書の雛形が発表されて、次にソフトウェアがアップデートされて、その後会計事務所の作業がはじまるので、企業の財務担当者の方々におかれましては、税法が変更になった際には色々とご協力お願いいたします。

山本陽子 (Yoko Yamato)プロフィール: 山本は2006年にビジネスアドバイザリーサービスグループのシニア会計士としてCDHに入社し、以来米国に進出している日系企業を主に、財務会計および税務コンサルティングサービスを提供しています。2010年以降、国際的に事業展開する企業の為に、移転価格調査及び企業価値算出の分野にフォーカスし、関連会社間取引の価格設定や、M&A時の企業価値算出の相談を承っております。