もうご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、イリノイ州の所得税率が一挙に30%以上も上がりました。

7月1日より個人所得税は3.75%から4.95%に、法人税は5.25%から7.00%に増税されます。5月23日に上院を通過した時点では1月1日に遡るとされておりましたが、州知事の拒否権により下院で再審議の結果7月1日からとなりました。

個人の所得としては給与・ボーナス等の稼得収入及び年金、ペンション、失業保険、ギャンブル収入等殆どの収入が対象となっています。個人・法人とも四半期納税をされている方はペナルティが付かないようにご注意下さい。

今回の税法変更は所得税、売上税から税控除まで多岐にわたります。高額所得者の人的控除にも制限が加えられました。

イリノイ州の財政赤字は2015年に一度引き下げられた税率を元に戻したぐらいでは健全化の道は大変厳しい状況であると皆様が認識し、州政府及び議会の動きに注意して見守っていく必要があると思われます。

一方、クック郡の“ソーダ税”は二転三転しています。これは人工・天然を問わず糖分の含まれる炭酸飲料水に対し1オンス毎に1セントが課税されるものです。

このソーダ税に関しては6月初めにクック郡税務局からレストラン、バー、スーパーやコンビニ等に6月末日時点での在庫に対する納税申告書が送られてきていました。この新税により2017年度は約7,000万ドルを超える税収が期待されるとしていましたが、州の憲法に触れるとして小売店協会が郡を提訴しました。そのため7月1日より施行されることになっていましたが取り敢えず7月21日まで保留となりました。