一時帰国での住民票取得の問題点とは?

知ってて得する永住権としての知識

7/20/2020

一時帰国されて住民票を取得する方は数多くおられます。そして住民票に付帯するベネフィットを受けた後に、住民票を放棄して、また米国に戻られるわけです。この行為に問題がないかについて、日本の法律の資格がない私がインターネットの検索を中心に調べてみました。

結論は、どうやら「違法」のようです。住民票は下記にも出ていますが、住民基本台帳第4条で決まっているようですが、明確に一時帰国と住民票取得に関して記述している部分は見つかりませんでした。次の方法として、各自治体が出している住民票関連のWebsiteで調べてみました。

いろいろ調べたなかで一番明確だったのが沖縄市の記述です。以下引用です。ソースは下記のサイトです。https://www.city.okinawa.okinawa.jp/sp/voice/c/5/d/4623

住民票における住所の意義と認定につきましては、住民基本台帳法第4条に規定があり、各人の生活の本拠があるところを住所として登録していただくこととなっております。そのため、家財等を今までの住所に残したまま、一時的に別の住所に居住する場合の住民票の異動はできないこととなっております。
したがって、帰国が短期の場合(国からの通知等で1年未満とされています)で、また同じ居住地に戻ることが明らかな場合につきましても、日本への居住は、海外に生活の本拠をおいたままの一時的なものと判断され、転入届を受け付けることができず住民登録はできないこととなっております。なお、一時帰国されている間の健康保険につきましては、海外の健康保険制度の活用や一般の海外旅行保険等に加入していただくことでの対応になるかと存じます。

次に明確なのが逗子市の案内でした。https://www.city.zushi.kanagawa.jp/faq/faq99-01.html

質問:一時帰国の際に国民年金保険に加入できますか? 

回答:国外に転出し、その後一時的に帰国した場合で、再び国外に戻るような場合には主たる居所が国外であり国外に住所があるものとして扱いますので、原則、転入の届けがあっても住民登録を受け付けることはできません。

最後に厚木市の案内です。https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/shiminbenri/totokezei/todokede/henkou/d020741.html

(注意)厚木市での滞在期間が1年未満の一時帰国又は一時滞在である場合は、「生活の本拠」(住所)は国外にあるものとして取り扱いますので、転入手続は不要です。

 滞在期間が1年未満であっても、特別な理由がある方については、転入届を受理できる場合がありますので、市民課までご相談ください。

 転入から1年未満で、再度国外等への転出を届け出た場合、本来であれば、厚木市に住民登録する必要がなかった方であるとみなし、転入日に遡って、住民登録の取り消しをさせていただく場合があります。 

最後に豊田市です。https://www.city.toyota.aichi.jp/faq/kurashi/todokede/1033766/1033832/1034148.html

質問 海外在住で、日本に一時帰国しています。転入届を出す必要がありますか?

回答 基本的には、日本に滞在する期間が一年に満たない場合、転入届を出していただく必要はありません。

一年という期間がひとつの目安になっていると理解できます。また生活の本拠があるのが住所であるとも読み取れます。厚木市の場合は、一年以上に例外があることを示唆しています。もちろん何も記述していない地方自治体のサイトも数多くありました。地方自治体のSite以外で、情報提供を目的とした一般のWebsiteでは、「各地方自治体によって違うので、事前に問い合わせをするべき」もありましたし、「全く問題ない」と答えているサイトもありました。

これらを総合的に考えると私の推薦する行動はもちろんご自身で住民票を取りたい先の地方自治体に正直に事情を話して、確認されることだと思います。そのうえで取得するか、否かを決めれば良いと思います。最後に、アメリカにある日本の領事館で在外邦人として登録があるのにかかわらず、日本に住民票があるのは二カ所で正式な住所があるように思えます。これには少し違和感を覚えます。

最後に住所があるということは、日本の相続税、贈与税にも影響を与えます。そして所得がある人は、日本の所得税の問題も出てくるかもしれませんね。したがって、よく検討しないで住民票を取得することは良くないと思えます。

CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。

この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解してもらう目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。

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