含み益の最高裁判事例:富裕税課税をめぐる争い

米連邦最高裁判所は、米国の富裕税制を再編成しかねない、広範囲に影響を及ぼす重大な税務訴訟を扱うことになりました。問題のムーア対米国訴訟(Moore v. United States)は、含み益への課税という争点を中心に展開され、このような課税の合憲性を掘り下げるものとして大きな注目を集めています。海外の含み益に対する1回限りの強制課税が憲法に違反するかどうかが争点となっており、同裁判所の判決は、米国における富に対する課税方法を根本的に変える可能性があります。 ムーア対米国の背景...

Credit for new clean vehicles purchased in 2023 or after

クリーン ビークル クレジットは、車の購入者がディーラーで支払う金額を減らすのに役立ちます。 対象となる新車または中古のクリーンな車両を購入する納税者は、2024 年 1 月 1 日から、コストの削減などの経済的利益と引き換えに、税額控除をディーラーに移転できる可能性があります。 IRS Issue Number: Tax Tip 2023-123より抜粋   <クレジットを譲渡するメリット> 納税者は、納税年度中に購入した新車および中古のクリーンカーに対する税額控除を申請できるようになり、2024 年 1 月 1...

まだ間に合う!2023年個人税節税対策!

まだ間に合う!2023年個人税節税対策! 2023年も早いもので、もう年末です。年が明けて間もなくすると2023年の確定申告の準備がはじまります。ここで2023年に節税を考えている方に朗報です。節税対策、まだ間に合いますよ。 2022年8月、歯止めがかからないインフレーションと戦うために、バイデン大統領がInflation Reduction Act (IRA)...

昨年度から導入されたリース会計について

米国では昨年度から非上場企業であってもすべてのリースはあたかも借入を行って資産を購入したかのように所有権資産とリース負債として計上し、その後毎月資産を償却し、支払ったリース料は借入を返済しているかのように処理することが必要になりました。多くの企業が時間をかけてリース会計を導入されたかと思います。今年は既にすべて所有権資産、負債として計上しているため再度計算をする必要がなく、また今後もあまりリース会計について考える必要がないとお考えになられているかもしれません。しかし、オフィスリース契約を更新せずに引っ越しをして新しいオフィスリース契約...

インボイスが重要なアメリカの売上税。使用税って何?

日本では2023年10月1日より消費税のインボイス制度が開始されました。仕入先より適格請求書が発行されないと消費税の確定申告時に仕入税額控除ができなくなるというものです。アメリカでは国レベルでの消費税はなく、州・地方ごとに売上税(Sales Tax)のルールが定められています。実はこの売上税に関してもインボイスは大変重要な役割を果たします。...

所得税が払えない!

もし期限までに所得税を支払えなくてもパニックに陥る必要はありません。 IRS は納税義務を果たすために役立ついくつかのオプションを提供しています。 納税者は、たとえ税額全額を支払えない場合でも、4 月 15日の期限までに確定申告書を提出するか、IRS.gov/extension で提出期限の6か月延長をリクエストすることが重要です。 そうすることで、申告漏れによるペナルティを回避することができます。   この延長は確定申告の提出期限にのみ適用され、支払い期限には適用されません。...

現在予想信用損失(Current Expected Credit Losses)について

米国財務会計基準審議会(FASB)は2016年に現在予想信用損失(Current Expected Credit Loss, 以下「CECL」という)会計ルールを公表しました。このルールは2022年12月15日以降開始事業年度(暦年の場合は2023年1月1日)から適用となります。このルールは銀行や金融機関の財務諸表に大きな影響を与えますが、売掛金や貸付金などがあるすべての会社にも適用されます。では、CECLとはどのようなルールなのでしょうか?今回は新ルール、CECLが売掛金に与える影響について主に説明させていただきます。...

米国政府と日本の金融機関との情報交換を理解する

米国は、米国市民やグリーンカード保持者、そして米国居住者の海外における金融活動を追跡することを重視しています。そのための重要なツールの一つが、FBARとして知られる外国銀行・金融口座報告書(Foreign Bank and Financial Accounts Report)であります。本稿では、FBARの微妙なニュアンス、情報交換の仕組み、特に日米間でどのようなプロセスが展開されるのかについて掘り下げます。 FBARの基本 FBARとは何か: FBARとは、外国銀行・金融口座報告書のことです。Report of Foreign...

将来日本帰国予定の人・401(k)等利用時の失敗例

クロスボーダーライフをサポートする 401(k)に代表される米国のEmployer Sponsored Retirement Saving Planに関して、将来日本帰国予定の人が犯す間違いを今回は5点説明します。中には避けることができる間違いもありあすが、できないものもあります。また一部の人にしか適応されないルールもあります。それらを整理しながら説明します。帰国される方は、永住権を放棄されると想定して、このブログを作成しています。その点をお忘れなく。 不可避の間違い 帰国後にリタイアメント口座の内訳を変えるのは不可...

AIを使った財務諸表監査とは?

近年多くの会計事務所がAIを使った財務諸表監査を開始しています。前回はAI技術による不正会計分析方法をお伝えしましたが、今回は会計データをソフトに取り込めば異常や不正と考えられる取引をソフトが特定するAI監査についてお話いたします。 AIソフトにより特定されるリスク...

お試しで日本に住みたい!グリーンカード保持者の制約と義務

クロスボーダー人であるグリーンカード保持者の黒須花子さんは、アメリカでの20年間のキャリアを一時的に中断して、日本での生活を試すことを決意しました。彼女は日本での就職活動に成功し、一つの企業からオファーを受け取りました。これが彼女の日本での新しい生活をスタートさせるきっかけとなります。花子さんはアメリカの自宅を賃貸することにして、2年間有効のRe-entry Permitを取得し日本へ帰国します。グリーンカードを保持したまま日本に帰国したクロスボーダー人の花子さんにはどのような制約や義務があるのでしょう?...

個人の退職金積立口座:Traditional IRA & Roth IRA

This Photo by Unknown Author is licensed under CC BY IRSから個人の退職金積立口座に関する通知がありましたので紹介させていただきます。 (発行番号: 納税のヒント 2023-116) 個人の退職金積立口座は退職計画における重要なツールとなり得ます。退職後の計画を始めるのに早すぎるということはありません。 個人退職金積立口座には、皆様が退職後の経済的安定を確保できる、投資を行うための税制上の優遇措置があります。...

永住権者がRoth Conversionを無税で行う方法

クロスボーダーライフをサポートする Foreign Earned Income Exclusion(FEIE)の方法で、外国での労務所得をゼロにして、同時にStandard Deduciton(標準控除)でRoth Conversionで発生する連邦所得税をゼロにする方法をご紹介します。 FEIE 国外の一定額の勤労所得への米国の課税をゼロにする制度で、2023年度で一人当たり$120,000、夫婦両方で勤労所得があれば$240,000まで無税にする制度です。対象となるのは、Wages, Salaries,...

永住権者がRoth Conversionを無税で行う方法

クロスボーダーライフをサポートする Foreign Earned Income Exclusion(FEIE)の方法で、外国での労務所得をゼロにして、同時にStandard Deduciton(標準控除)でRoth Conversionで発生する連邦所得税をゼロにする方法をご紹介します。 FEIE 国外の一定額の勤労所得への米国の課税をゼロにする制度で、2023年度で一人当たり$120,000、夫婦両方で勤労所得があれば$240,000まで無税にする制度です。対象となるのは、Wages, Salaries,...

長生きリスクへの備え方:アメリカに住む日本人女性の税金対策

現代の医療技術と健康的なライフスタイルのおかげで、多くの人がかつて考えられたよりも長生きしています。特に女性は男性よりも平均寿命が長いことが多いため、「長生きリスク」は女性にとって重要な問題でしょう。長生きリスクに備えるために、金銭的な準備、健康の維持、社会的なつながり、継続的な学び、心の準備などの心構えについて見聞きすることがあると思います。そのなかの「金銭的な準備」の面で、「資産形成」や「投資戦略」を思いつくことがあるかもしれませんが、「税金対策」は見落とされがちです。しかし、長生きを前提に考えると、「税金対策」は非常に重要な要素...

キャピタルゲイン税

CDH会計事務所 米国公認会計士 武藤 登 氏 キャピタルゲイン税とはTax on Net Capital Gain and Qualified Dividendsのことで、キャピタル資産を売却した際に生じた利益や、適格配当金にかかる税金のことです。       <キャピタル資産> キャピタルゲイン税の対象となる資産は個人的な目的で所有していたもの、又は投資のための資産であり、下記のものは除きます。 通常の商取引又はビジネスの販売目的で保有する棚卸資産、売掛金、買掛金...

州からの支払い(給付金、助成金、救助金等)の課税判定

2020年3月13日に米国大統領がCOVID-19のアウトブレイクを宣言してから2023年4月10日にCOVID-19の終息を告げるまでの3年間、給付金等の色々な支援が連邦や州から出されました。2022年にも、様々な州から、COVID-19関連で、税金の還付やその他の支払いという形で州住民に対してサポートが提供され、その支払いが個人の課税対象となるかどうかについて、2023年2月にIRSから州ごとの課税・非課税対象支援についての発表がありました(IR-2023-23)。先月(2023年8月30日)、更なるガイダンスがIRSより発表され...

教育費のTax Incentivesとは?

教育費の為の出費に関しては、各種の税務上の優遇措置があります。下記に主な優遇措置をまとめてみました。   <American Opportunity Credit >  学位取得のために在学する 4 年間の大学の授業料について最高 $2,500までの税額が控除される制度です。 適格費用として授業料、コース関連の教材と備品、学生活動費や運動費などの費用の合計$4,000まで 最初の 適格費用の$2,000 までは 100%で計算し、次の $2,000 までは 25% ($500)で計算する 対象者:納税者、配偶者、扶養家族...

YouTuber・コンテンツクリエーターのためのアメリカ税金ガイド

YouTuberやInstagramのインフルエンサーなどのソーシャルメディアコンテンツクリエーターは、比較的新しい職業のひとつです。近年、このコンテンツクリエーターとしてのキャリアを選ぶ人が増加しています。デジタル化が進む中で、この業界はアメリカ経済の重要な役割を果たしており、アメリカに暮らす日本人のなかには、会社勤めをしながら副業としてコンテンツクリエーターとして活動している人もいるでしょう。コンテンツクリエーターはIRSによって自営業として分類されています。この新しい波の職業には、どのような税務上の申告が必要なのでしょうか。...

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