会社がビジネスを行っていく上で現金は必要不可欠です。会計年度の前半が終わると、多くの企業では「後半の資金繰り」について見直しを検討する時期になります。特に米国にある日系子会社では、企業の現金の入出を予測し、資金繰りを把握して今後の資金調達計画や事業計画を日本本社に報告を求められることも多いのではないでしょうか?
本記事では、後半期に向けたキャッシュフロー計画について、実務の視点から意識しておきたいポイントをまとめてご紹介します。
なぜ今、キャッシュフロー計画が重要なのか?
後半期に向けたキャッシュフロー計画を立てることは、事業の安定的な運営と成長のために不可欠です。上半期の実績をもとに、今後の事業活動に必要な資金の動きを見通しておくことで、突発的な資金不足のリスクを事前に把握しやすくなります。
日系子会社の場合、秋ごろになると日本本社への次年度の予算報告や年度末決算に向けての準備もあり忙しくなると考えられますので、早い段階でキャッシュフロー計画を立てることが安心につながります。
キャッシュフローの構成と見直しの視点
キャッシュフローは大きく以下の3つに分かれます:
・営業活動によるキャッシュフロー(Operating)
売上や仕入れ、給与などの通常業務に関わる資金の動き。
・投資活動によるキャッシュフロー(Investing)
固定資産や設備の取得・売却に関連する資金の動き
・財務活動によるキャッシュフロー(Financing)
借入・返済・資本金の注入・配当などに関わる資金の動き。
実務で意識したい4つのポイント
- 営業活動による売上高の予測:売上予測に基づいてどれくらいの在庫を購入する必要があるのか、また設備投資はいくら必要かを把握する必要があります。
- 現金残高と月次の入出金の把握:顧客からの入金とベンダーへの支払いにはタイミングの差があり、時には顧客先から売掛金を入金される前にベンダーへの支払いを行う必要があります。よって入金と支払のタイミング差によるキャッシュギャップに注意を払う必要があります。
- 為替動向:円で仕入れを行っている場合は、市場動向に注意を向け、円安・円高による購入価格への影響を考慮する必要があります。
- 固定費・変動費の変化を月ごとにチェック:費用についても、変動費と固定費に分け、それぞれの予測を行います。特に給与に関しては一般的な給与上昇率、および賞与給与も含めて見直す必要があります。
- . 税金・保険などの季節的支出:法人税・州税・健康保険料など、とある時期に支払いが集中するケースも想定されます。
最後に
キッシュフローの見直しは、日常的な資金の管理だけでなく、日本本社との報告対応にも影響する重要な業務のひとつです。後半期はホリデーも多いく、特に年末は立て込むことも多いため、早めの計画が後の負担軽減につながる可能性があります。
小さな気づきや見直しの積み重ねが、安定した事業運営の土台となります。再度このタイミングで自社のキャッシュフローに目を向けてみてはいかがでしょうか?
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