Author: Motoe Haller 米国永住権(グリーンカード)をお持ちの方が日本に一時帰国する際、予期せぬ事情で滞在が長引いてしまうことがあります。たとえば、家族の介護や自身のケガ・体調不良などで予定より長く滞在することになるケースです。このような場合、米国への再入国や永住権の維持に影響する可能性があります。 アメリカ再入国時に永住権(グリーンカード)を維持できるか、あるいは自ら放棄する判断をすべきか、重要な判断を迫られることになります。その分岐点となる「再入国許可書(Reentry...
米国税務の基礎:ソーシャルセキュリティ
Author: Noboru Muto アメリカの Social Security Tax/Medicare Tax は、日本では社会保障税に該当します。5 年未満等の短期駐在の場合は日米社会保障協定により、米国にて社会保障税の支払が免除されています。この社会保障協定の適応を受けるには、日本年金機構に申請して証明書を取得する必要があります。この証明書は 3 年まで延長が可能ですが、それ以上の延長は日米双方の協議が必要となり、大変難しくなります。 <日本の社会保険・在籍出向か移籍出向か>...
社員のため、そして会社のために——退職年金制度導入に使える税制優遇策
Author: Mai Shibahara 近年、「401(k)プランを新たに導入しましたが、法人税で税額控除を受けられますか?」というご質問を多くいただいています。実は、アメリカでは一定の要件を満たす中小企業が退職年金制度を新たに導入する場合、設立や運営にかかる費用の一部について税額控除を受けられる優遇制度が整備されています。これが、内国歳入法第45E条(IRC Section 45E)に基づく「小規模企業退職制度導入費用税額控除(Small Employer Pension Plan Startup Cost...
売上不正について
Author: Tomoko Nakao 財務諸表項目の中でも売上は損益計算所の一番上に記載されており、株主および銀行また財務諸表を必要とするステークホルダーは売上を非常に重要視します。よって会社は売上を増やそうと不正を行うことがあり、実際に過去に売上に関する不正は多く行われてきました。今回は売上の不正は具体的にどのようなものがあるかについてお話させていただきます。 代表的な売上の不正の例は下記のとなります。 売上架空計上...
一時帰国が長期化したときの「再入国許可書(Reentry Permit)」と永住権の維持・放棄
Author | Motoe Haller 米国永住権(グリーンカード)をお持ちの方が日本に一時帰国する際、予期せぬ事情で滞在が長引いてしまうことがあります。たとえば、家族の介護や自身のケガ・体調不良などで予定より長く滞在することになるケースです。このような場合、米国への再入国や永住権の維持に影響する可能性があります。 アメリカ再入国時に永住権(グリーンカード)を維持できるか、あるいは自ら放棄する判断をすべきか、重要な判断を迫られることになります。その分岐点となる「再入国許可書(Reentry...
現在価値(Present Value)について
「現在価値」という言葉をお聞きになったことはありませんでしょうか?会計では、現在価値という考え方を使うことがよくあります。現在価値とは何なのか、また、会計で現在価値はどのような場面で使う必要があるのかについてご説明いたします。 現在価値とは?...
年齢別の税法上のルール
米国税法は年齢により適応できるクレジットや優遇措置が異なりますので2024年度を例に取って列記してみました。 <13歳> 13 歳以上の子供に対しては、Child Care Credit(子女養育費税額控除)を請求できない <17歳> 17 歳以上の子供に対しては、2,000 ドルのChild Tax Credit(扶養子女税額控除)を請求できない <18歳> 親の非法人事業で働いている子供はFederal Insurance Contributions Act(FICA:社会保険税)の対象となる 通常、18...
税制改革の先行き: 2025年に期限を迎えるTCJAの主要変更 – 法人税編
今回の記事では、前回に引き続き、第一次トランプ政権下の2017年に成立した税制改革法(TCJA: Tax Cut and Jobs Act)の主要な変更点について解説します。個人税編でご紹介した条項ははすべて2025年に期限を迎えるというものでしたが、今回の法人税編では、すでに段階的に縮小されている条項も含まれています。 ...
不動産相続の新ルール:登記義務化とアメリカ税務の落とし穴
2024年4月から、日本で不動産を相続した際の相続登記が義務化されました。これにより、相続した不動産の名義変更を3年以内に行うことが法律で定められ、過去に相続した不動産も対象となり、2027年3月末までに手続きを完了しなければなりません。この背景には、所有者不明土地の増加という深刻な問題があります。本記事では、相続登記義務化のポイント、よくある勘違い、そしてアメリカ在住の方々が特に注意すべき税務上の問題について解説します。 所得者不明土地問題とは?...
現在予想信用損失(Current Expected Credit Losses)について
2023年度から「現在予想信用損失」という会計ルールが必須導入となったのをご存知でしょうか?このルールは金融機関に大きな影響を与えますが、金融機関以外の業種でも売掛金がある会社ですと貸倒見積もりの計算に影響を与えます。またこのルールは貸倒損失が発生する可能性が低い場合であって損失を見積もる必要があります。3月末決算の会社は決算日まであと一か月を切り、貸倒引当金の計算に取り掛かろうかとされている時期かと思います。約1年半前にこのルールについて記事を書かせていただいておりますが、今回改めて、できる限りわかりやすくこのルールについて説明させ...
Head of Household:税率の有利な特定世帯主
連邦個人所得税の申告資格は夫婦合算申告、夫婦別申告、適格生存配偶者、独身者、そして特定世帯主に分かれています。特定世帯主は子供や扶養家族のいる方に適用される申告身分です。独身者の方より一般控除額が高く、同じ税率でも適用される累進課税の収入枠が高くなります。独身の方と収入が同じでも税金が低くなるので有利な申告身分です。 <一般控除額> 2024年度のそれぞれの一般控除額は下記の通りです。 夫婦合算申告 : $29,200 夫婦別申告 : $14,600 適格生存配偶者 : $29,200 特定世帯主 : $21,900 独身者 :...
税制改革の先行き: 2025年に期限を迎えるTCJAの主要変更 – 個人税編
第一次トランプ政権下の2017年に成立した税制改革法(TCJA: Tax Cut and Jobs Act)は、個人および企業向けの税法に大きな変更をもたらしました。しかし、TCJAの多くの条項は2025年の申告を最後に期限が切れるため、納税者にとってはその後の税制が不透明な状況です。新たな共和党主導の議会の下で、税制改革案が議論される中、これらの条項の延長や修正が提案されています。今回は、2025年に期限が切れる主要な個人の条項についてお話しします。 ...
米国会計と米国税法の取り扱いの違い(Cコーポレーション、株式会社の場合)
アメリカのCコーポレーションの税務申告書(Form...
国際結婚とアメリカの確定申告:合算申告の責任とリスク
国際結婚をしているカップルがアメリカで確定申告(タックスリターン)を行う際、特に合算申告(Married Filing Jointly)を選択する場合には慎重な判断が求められます。特に、日本とアメリカの税制度の違いにより、思いもしない状況になることがあります。 日本とアメリカの税制度のギャップ...
2024 Tax return:確定申告書作成準備
今年もまた2024 年連邦所得税申告書の申告シーズンとなりました。事前に計画を立てて今から直ぐに準備をすすめることでストレスを軽減し、申告プロセスをよりスムーズに進めるようにしましょう。そうすると正確な申告書を提出でき、税金の還付を遅らせる遅延を回避することもできます。 IRS.gov/account でアカウント情報を作成 これにより連邦税アカウントに関する最新の情報に安全にアクセスし、既に提出した納税申告書の情報も確認できます。 調整後総所得など、最新の納税申告書の重要な詳細を表示可能...
Home Office: 自宅事務所控除
控除の対象となるには、自宅の事業用エリアが定期的かつ排他的に使用されている必要があります 。 管理用途を含む主な事業所として 通常の事業の過程で顧客と会う場所として 納税者の個人住宅に付属していない独立した建物である場合は、事業に関連して <例:雇用主への賃貸> 自宅の全部または一部が納税者の雇用主に賃貸されており、賃貸された住宅の部分が雇用主の従業員としてサービスを行うために使用されている場合、自宅オフィスは適格ホームオフィスではありません。 <定期的な使用>...
Independent Contractors & Employee: 独立請負業者と従業員
従業員と独立請負業者では給与及び給与関係税の取り扱いが大きく異なります。そのためIRSは法人税の調査の際に独立請負業者への支払いについて調査することがあります。 その結果、税務上で独立請負業者として扱われる労働者の多くは、実際には従業員と見なされる場合が多いので注意が必要です。IRS が労働者を従業員として再分類した場合、雇用主は次の責任を負うことになります。 FICA 税など、労働者の給与から源泉徴収されるべき雇用税 FICA 税の雇用主負担分 連邦失業税 これらの税金を支払わず、(b)...
F-1留学生の税務申告:収入ゼロでも必要な手続きとは?
新年のスタートにあたり、F-1ビザでアメリカに滞在している留学生の皆さんにとって重要な「税務申告」についてお知らせします。意外と知られていない事実として、収入の有無に関わらず、F-1ビザの留学生にはIRSに特定の書類を提出する義務があります。 1.所得がない場合でも必要なフォーム8843とは? F-1ビザでアメリカに留学をされている学生さんは、「収入がなければ税務申告は不要」と思われるかもしれませんが、たとえ日本の親からの仕送りや自費での留学、あるいは全く収入がない場合でも、Form 8843 (Statement for...
棚卸の目的と方法とは?
12月決算の会社は12月に入り期末近くとなり、12月の終わりや1月初めに棚卸を行う会社も多いかと思います。そこで今回は棚卸の重要性についてお考えていただく良い時期かと思いますので、棚卸を行う目的、そして方法についてお話させていただきます。 棚卸の目的 棚卸とは会社や顧客先、店舗の施設内に保有している商品や原材料の数量や状態を調査することです。調査においては、工場や倉庫などに保管されている商品や原材料などを種類ごとに一つ一つ目視で確認します。...
12月が勝負!初めてのタックスリターンで失敗しない準備方法
アメリカでワークビザでの就労、そして初めてのタックスリターン。慣れない環境で新しいルールに対応するのは大変です。周りに人に聞いて、見よう見まねで申告をしている方もいるかもしれません。しかし、税金の申告は慎重に行うべき手続きであり、正しい知識をもっておくことが安心につながります。この記事では、初めてのタックスリターンに向けて知っておくべきこと、そして注意点について解説します。 1.タックスリターンとは?基本の確認...
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