― 米国の日系子会社で働く方に向けたヒント ―
年度の半ばを迎えると、これまでの実績を振り返り、今後の方針を見直す良いタイミングとなります。中間期の財務レビュー(Mid-Year Financial Review)は、企業規模にかかわらず、事業の健全性をチェックする重要な機会です。
特に米国で事業を行う日系子会社の経理・財務部門では、現地の実績把握と同時に、日本本社への報告準備が必要になることもあります。本記事では、中間期のレビューを行う際に意識したい主要な財務指標と、活用できるツールの一例をご紹介します。
なぜ中間レビューが重要なのか?
年初に立てた予算や目標が、実際の業績とどうずれているかを確認することで、後半の戦略修正やコスト管理の方向性が見えてきます。
また、日本本社では3月決算ベースの中間報告(9月末または10月初旬)を求めるケースが多く、米国法人においてもこの時期にデータ整備や報告準備が求められることがあります。現地の状況に合わせて、柔軟に対応できる体制があると安心です。
確認しておきたい主要な財務指標
以下のような指標は、中間レビューの際に参考になることが多いようです:
・売上高・売上総利益(Gross Profit)
上期の売上とコストのバランスを見直し、後半の販売戦略やコスト改善の検討材料になります。
・営業利益と営業費用の内訳(Operating Income / Expenses)
販管費や固定費の使われ方を振り返ることで、節約できる項目や見直しポイントが見えてくることがあります。
・キャッシュフローの状況(Cash Flow)
現金残高の推移や、営業・投資・財務活動別の動きを確認することで、資金調達や余剰資金活用の方針に活かせます。
・月次・四半期の損益推移(P&L Trends)
季節変動や外部要因による影響を把握しやすくなります。
活用できるツールと実務上の工夫
・会計ソフト(例:QuickBooks, Sage Intacct など)
日次・月次の取引データを集計・可視化し、主要数値の把握が容易になります。
・スプレッドシートテンプレート(Excel/Google Sheets)
KPIや予算実績差の管理表など、必要な情報だけをまとめるカスタムシートも便利です。ただし、手作業による更新や転記作業が増えるとミスや作業負担の原因となるため、注意が必要です。
・ダッシュボード機能の活用
取引先別、部門別、製品別の実績をグラフ表示することで、現状の課題や傾向が直感的に把握できます。
・日本本社との連携を想定した資料フォーマット整備
通貨換算や会計基準の違いによる誤解を避けるため、報告テンプレートの早期共有・整備が効果的です。
中間期の財務レビューは、上期の結果を正しく把握し、より良い後半戦略を立てるための貴重なステップです。米国での活動が中心であっても、日本本社との連携を意識したレビューを行うことで、グループ全体の方針との整合性を保つ助けにもなります。
手間をかけすぎず、必要な項目をピックアップして進めることで、負担を減らしながら効果的なレビューが実現できます。
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