4月26日に発表された税制改革計画の政府案の概要は、法人については法人税率の35%から15%への引き下げ、全世界所得課税制度から源泉地国課税制度への変換、既存海外留保利益の一度のみの本国還流課税等でした。

個人については最高税率の39.6%から35%への引き下げと10%-25%-35%の3段階への簡素化、一般控除を2倍に引き上げて低中所得層の減税幅を広げる(2016年度の夫婦合算申告の場合は$12,600)、代替ミニマム税の廃止、相続税の廃止、医療保険制度改革法の純投資所得税3.8%の廃止等でした。一方で州税や地方自治税を項目別控除の対象から外すなどこちらも大変に抜本的な改革案でした。

ところがこの9月27日に政府と共和党指導部が合同で発表した税制改革案では、法人税については現行35%から20%への引き下げと共和党に妥協したかたちになりました。源泉地課税制度への変更と海外保留利益の一度のみの本国還流課税についてはそのまま引き継がれました。

個人については最高税率の39.6%から35%への引き下げと12%-25%-35%の3段階への簡素化は変わりませんが、最低税率案が当初の10%から12%に引き上げられました。ただ肝心の適用される所得段階については未だに発表されていません。一般控除の2倍引き上げと相続税の廃止、州税等を項目別控除の対象外すること等については変更されていません。

今年も残すところあと3ケ月弱となりました。予算案との兼ね合いもありますし、これから詳細を詰めて年内成立を目指すのは大変難しいと思わざるを得ません。還付金を期待された方もいらっしゃるでしょうが2017年度に関しては諦められたほうがよさそうです。

一方、代替法案が頓挫していたオバマケア廃止についてですが、トランプ大統領は10月12日に医療保険制度改革の見直しを関係省庁に指示する大統領令に署名しました。ポイントは中小企業が共同で全国的な組合を結成し、州政府が管理している医療保険より要件が少なく安い保険を提供するという点です。しかしながら、そのためにはエリサ法(従業員退職所得保障法)で認められている各州の医療保険プランの規制を緩める必要があります。

12日のロイターでは”トランプ大統領が現行の医療保険制度改革(オバマケア)を骨抜きにするために打ち出した計画は、各州から連邦法違反を問われて裁判での争いになるのはほぼ確実とみられている”としています。こちらも簡単に決着はつきそうもありません。