御社では経理規程は存在していますでしょうか?経理規程とは経理業務に関する基本的な考えやルールを成文化したものです。今回は、経理規程がなぜ重要とされているのか、またどのような内容が含まれているべきかについてお話させていただきたく思います。

経理規程の重要性

経理規程の重要性は主に下記の4つとなります。

  1. 経理規程を作成することにより、経理業務における不正やミスの発見、及び防止機能を高め、内部監査機能を盛り込むことで財務諸表の信頼性と処理効率性を高めます。
  2. 経理業務の詳細を定形化することで業務の効率化を図り、正確な企業情報をタイムリーに収集・分析することが可能となります。
  3. 経理業務では様々な関連法令(企業会計原則・税法等)を遵守する必要があり、これらの法令に則って、会計処理を行なうことにより法律を厳守することができます。
  4. 経理担当者が代わったとしても規程を参照することにより、正しい会計処理やルールを理解することができ、業務に支障をきたすことなく、帳簿を締めることができます。

経理規程に含まれる項目の例

経理規程に含まれる項目の例としては下記となります。

  1. 総則-目的、会計原則、会計年度、経理責任者、会計担当者
  2. 勘定科目及び会計帳簿、会計帳簿の保存期間
  3. 銀行預金管理、資金管理:金銭範囲、出納責任者、銀行預金照合、支払手続、小切手の管理
  4. 棚卸資産管理:棚卸資産の計上基準、取得価額、評価方法、管理、返品手続き、実地棚卸、不良棚卸資産の調査
  5. 債権•債務:売上計上基準、売上の請求と売掛金の回収、貸倒引当金の計上方法、買掛金の計上、支払い、未払費用の計上、残高確認
  6. 固定資産:固定資産の種類、取得及び処分、減価償却方法、固定資産の取得価額、有形固定資産の修繕及び改良、実査及び減損
  7. 決算業務:月次及び年次決算手続、決算書類作成
  8. 予算:予算期間、予算責任者、予算の修正等

規定作成後は、規定実施日を記載しておく必要があります。また、定期的に見直しを行い、都度改定し、改定日も記載しておくことが必要です。

経理規程と実務の整合性

たとえ経理規程を作成した、または規程が存在していたとしても、実際に行う業務と経理規程に乖離が生じてしまっていては経理規程の意味がなくなってしまいます。内部統制における不備には2つのケースがあります。「整備上の不備」と「運用上の不備」です。整備上の不備とは、一定のリスクが存在する業務について、そもそも業務に関するルールがなかったり、ルールはあるが実態にマッチしていなかったりするケースです。運用上の不備とは、ルールは適切であるが、現場がルール通りに動いていないケースです。運用上の不備によって経理規程と実務が合っていないと、不正や財務諸表に大きな間違いが発生することになってしまいます。定期的に経理規程を確認し、規程通りに実務が行われているか、また行われていない場合はルールを徹底する、あるいはルールが適切でないのであればルールを変えることが必要です。

CDH会計事務所では経理規程作成のサービスを提供させていただいております。経理規程作成に関しましてご質問等ございましたらCDH会計事務所の中尾 [email protected] までお問い合わせください。