販売業務とは、企業が商品やサービスを顧客に提供することで、売上を計上し、代金を回収するという業務です。販売というと商品を販売するまでと考えがちかもしれませんが、売掛金を回収することができて初めて販売業務が終わると考えていただくことが重要です。企業の収益の源泉は売上ですので販売業務は企業にとって中心となる業務です。販売業務は、大きく受注プロセスと与信管理プロセスの流れがあり、主に下記となります。

  • 受注
  • 商品の出荷
  • 顧客への代金請求
  • 代金回収

各プロセスにおける内部統制で重要な点とは下記となります。

  1. 受注プロセス
  • 顧客から注文書を受け取った際、商品、数量、納期等正しい受注情報をシステムに入力する。
  • 顧客から注文を受けた通りの商品を間違いなく納期までに納めるため、定期的に受注残をチェックし出荷漏れがないかどうかを確認する。
  • 新規顧客からの注文の場合、新規顧客の財政状況を確認し、適切な与信限度額を設定する。また、既存顧客の場合、受注額が与信限度額が超えていないかを確認し、超えている場合は出荷をしない、前払いを要求する等の手続きを行う。
  1. 商品の出荷
  • 出荷指示書に記載されている通りの正しい商品と数量で出荷する。出荷した時点で出荷指示書に出荷済みであることのサインを行う。
  • 出荷時点で納品書を発行し、商品と共に送り、かつ社内でコピーを保管しておく。もし顧客が商品を受領した時点で売上を計上する場合は、商品配達証明書を取得し(あるいはオンラインでの追跡情報等)、商品の配達が完了したことを示す証拠を残しておく。
  • 返品があった場合、倉庫担当者は返品された商品の検品、入庫伝票の起票を行い、かつ倉庫担当責任者の承認を得て経理に検品及び入庫伝票を渡す。
  1. 顧客への代金請求
  • 売上については、出荷及び商品配達時点(売上計上基準に基づく)でタイムリーに請求書を発行し、顧客に郵送する。システム上、請求書を発行すれば売上が計上される仕組みとなっている場合、出荷及び商品配達日と売上計上日がずれないよう注意が必要である。
  • 返品の場合、経理担当者は検品及び入庫伝票に基づきクレジットメモを発行する。
  1. 代金回収
  • 経理担当者は売掛金滞留表を定期的にチェックし、回収が滞っていないかどうかを確認し、営業担当者に報告する。また、営業担当者は顧客と連絡を取り、回収がいつされるのかを確認し、経理部に報告する。また、売上を計上しても回収ができなければ会社にとって損失となることを経営者から従業員に日頃から伝えておく必要がある。
  • 売上の回収が長期にわたって滞っており、顧客の財務状況が悪い状態で回収の見込みが非常に低い場合は貸倒引当金を計上する。
  • 顧客の与信状況を定期的に確認し、現状の与信限度額が妥当かどうかを検討し、必要であれば経営者の承認を得て変更する。

   

上記はすべてではありませんが販売から代金回収までに関して考慮すべき重要な統制事項となります。一度御社が行われておられる作業を見直してみるてはいかがでしょうか?販売業務に関するご質問等ございましたらCDH会計事務所の中尾 [email protected] までお問い合わせください。