知って得をする永住権者マニュアル

永住権者の方が日本に帰国するときに、Roth IRAやRoth 401(k)は現金化しておくことが望ましいと思います。

理由は、日本でRoth のDistributionを受け取ると日本で課税されます。つまり投資利益部分が課税されてしまいます。その理由を説明します。

Roth IRAやRoth 401(k)は、上院議員のRothさんが立法化した退職年金制度のひとつです。これが名前の由来です。その特色は、拠出するときは税引き後で拠出して、Distribution を受けるときは無税であることです。(正確に書きますと、利子、配当、キャピタルゲインなどの投資利益が無税になります。もちろん最初の拠出金はすでに税金を支払っているのでこちらも無税です。)ここが無税で拠出できるTraditionalなIRAや401(k)と違うところです。Rothは税引き後の金額で拠出して、受け取るときは無税で受け取れるのが優遇措置なのです。

このRothの制度ですが、401(k)プランでもRothのオプションがある場合が多いようです。ただし一般的なのは、Roth IRAです。

Rothを好まれる方は、今所得があるので税金を支払えるが、退職したときは所得が殆どなくなっているので税金を払う余裕がないと思われる方。また、将来米国の所得税率は大きく上昇するのに違いないので、今税金を支払っておきたいと思われる方が多いのではないかと思います。

帰国に際するRothのリスクとは以下のものです。

帰国して日本の居住者になった場合は、Rothを含めた外国からの年金の受け取りは日本で申告しないといけない決まりになっています。日米租税条約上の決まりです。実務上は税理士に申告を頼むか、ご自身で税務署に行って申告します。ここまでは問題はないのですが、日本の政府がこのRothという制度を理解してくれて、外国からの年金だが、日本の所得税はかからないと判断してくれる可能性が非常に低いと考えられるからです。Rothは米国の制度であり、日本の制度ではありません。

日本の税務署は調べようと思えば銀行口座に海外から入金されている金額を調査し、認識することは普通にできると思います。税務署に質問された際に、これはすでにアメリカで税金を支払っている年金なので無税にしてくださいと報告するわけですが、投資利益に関しては日本で税金を支払わないといけません。つまりアメリカで受けることができる優遇措置が日本では受けられないわけです。

ではどのようにしたら良いのでしょうか?

帰国前にRoth IRAは解約することです。米国の居住者である間に解約すればRoth は、元本はすでに税金を支払った投資ですので、無税ですし、投資所得分も5年以上維持していれば無税です。

つまりRothは、米国で換金されてから帰国をすれば、上記の懸念点をクリアできるのです。

注意点がひとつあります。それは59歳半以前に換金すると、上記の投資利益に対しては10%の早期換金にたいするペナルティがかかります。元本部分にはかかりません。これはすでに税金を支払った金額だからです。

CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。なぜならビザでの米国居住者、永住権者・日系人一世(米国市民)は、日米の経済そして、国際交流を支えるまさに「縁の下の力持ち」だからです。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。

この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解してもらう目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。

なおこの記事に関するご質問はお気軽に藤本光まで。[email protected] (630) 253-0215