米国税務の基礎、米国居住者の判定

(1)居住者のテスト 米国では個人が確定申告をする義務があります。その際の申告身分より課税対象となる所得や控除可能な項目が異なります。税法上の申告身分としては下記の通りです。 米国市民 (U.S. Citizen) 米国居住者 (Resident Alien) 米国非居住者 (Non-Resident Alien) 二重身分者 (Dual Status) 米国市民以外の人が米国居住者であるか、非居住者であるかの判断は、グリーンカードテストか実質滞在テストによって決定されます。 <グリーンカードテスト>...

スーパーファンド 化学品物品税

2022年6月21日 1980年に米国議会は「スーパーファンド法」としても知られる、包括的環境対応補償および責任法(“CERCLA”)を制定しました。これは政府主導で行われている汚染物質の浄化作業や、危険物廃棄場の修繕に充てられる資金になることが目的とされています。この税制は、CERCLAの継続が棄却された1995年まで適応されていました。 2021年11月15日、インフラ投資雇用法(Pub.L.117-58)が法制化され、これによりスーパーファンド化学品物品税の適応範囲がより拡大した形で再び導入される結果になりました。...

米国税務の基礎、一般的な税控除項目

居住者の方は標準控除か項目別控除の金額の多い方を選択し、課税対象所得を減らす事ができます。但し非居住者や二重身分者の方は、標準控除を選ぶ事ができません。また、夫婦個別申告でどちらかが項目別控除を選んだ場合は二人とも項目別控除を選ばなければなりません。申告者が盲目や 65 歳を過ぎた場合は、追加控除ができます。 <人的控除・扶養者控除について> 2018 年度より、納税者自身と配偶者に対する人的控除や、税法上認められた子供や両親等の扶養家族に対する扶養者控除はなりました。   標準控除 <2022年度標準控除額>...

米国税務の基礎、税額控除

一般控除や項目別控除は課税対象額を減らす効果がありますが、税額控除とはその年度で計算された所得税額から税金自体を直接差し引ける控除のことです。外国税額控除、子女養育費税額控除、扶養子女税額控除、養子税額控除、役務所得税額控除、教育費税額控除等があります。 外国税額控除(Foreign Income Credit)...

最高裁で決着予定。同じケースに罰金額が5万ドルと2.7ミリオンドル

  「存在すら忘れている子供のころに親が開いた口座が複数あり、口座はそのままだが預貯金はゼロ、あるいは、いったいいくら入っているのかも分からない。通帳も実家に置いたままでオンラインのアクセスもない」。そんな休眠口座をお持ちの方は要注意。2022年6月21日、アメリカ合衆国最高裁判所は、2.72ミリオンドルの罰金を科せられたルーマニア出身の移民であるAlexandru...