アメリカ合衆国の市民や米国税法上の居住者が米国外の金融機関に口座を持ち、残高が一定の基準を超えると、所得税申告書とは別にFBAR(Foreign Bank and Financial Accounts Report、米国外金融口座報告書)の提出が必要になって参ります。 申告対象者は米国外に金融口座の所有権もしくは口座の署名権限があり、それら口座の合計残高が年内に一度でも10,000ドルを超えた方となります。 一つの口座の残高ではなく合計残高が判断の対象となる為、例えば残高6,000ドルの口座が二つある場合も合計で10,000ドルを超える為対象となります。

提出の遅延や未提出時の罰則は故意か否かにより異なりますが、故意と判断された場合129,210ドルまたは米国外金融口座残高合計の50%のどちらか多い方が罰則の対象となり、故意でなくても最大15,611ドルとなります。

では、実際に提出の義務を知らずに提出の遅延、未提出が起こってしまった場合はどの様な対処が必要でしょうか。

一定条件を満たすことにより、罰則の軽減、削除の対象となる、下記の遅延、修正申告方法が御座います。

  1. Delinquent FBAR Submission Procedures

この手続きは米国外金融口座の報告にのみ遅延があり、その口座からの所得(利子等)はすでに所得税申告書に申告されていた、もしくは米国外金融口座からの所得は無く、FBAR以外のフォームには遅延、変更がない場合が対象となります。

  1. Streamlined Foreign Offshore Procedures

この手続きは米国外に年間330日以上居住している納税者が対象となりますが、米国外金融口座報告の遅延に加え、対象金融口座からの所得も申請が行われていなかった場合に使用可能です。 未報告が意図的でなかった旨を示す陳述書を含む説明書類と共に、過去3年分の申告書(未提出分もしくは修正分)、過去6年分のFBARを提出し罰則なしで申告を行います(未申告分の所得は追徴税、遅延のペナルティー・利子の対象となります)。

  1. Streamlined Domestic Offshore Procedures

この手続きは米国居住者が対処となり、手続き方法は上記米国非居住者とほぼ同様になりますが、こちらは未報告分口座最高残高に5%のペナルティーが御座います。

この様に遅延、未報告が初めてで意図的なものでない場合は、罰則の軽減、削除の対象となる申告報告が提供されている為、遅延、未報告が起こってしまったら速やかに専門家に相談、対応を行いましょう。

 

記事に関するご質問は、岡部 知憲([email protected])まで。CDHでは米国在住の個人の税務申告作成のサービスを行う傍ら、これらの人たちのさまざまな問題点、疑問点を解決、説明すべく日々努力しております。またこれらの人たちが抱える問題は日米の税法をはじめ、移民法、生命保険、リタイアメントのルールなど複雑、多岐にわたります。この記事は複雑な税法や、複雑な規制をできるだけ簡単にポイントだけを理解していただく目的でお伝えしています。したがって例外もたくさんあります。実際にアクションを取る場合は、必ず税務・法務などの専門家と相談をしてください。

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