2020年3月13日に米国大統領がCOVID-19のアウトブレイクを宣言してから2023年4月10日にCOVID-19の終息を告げるまでの3年間、給付金等の色々な支援が連邦や州から出されました。2022年にも、様々な州から、COVID-19関連で、税金の還付やその他の支払いという形で州住民に対してサポートが提供され、その支払いが個人の課税対象となるかどうかについて、2023年2月にIRSから州ごとの課税・非課税対象支援についての発表がありました(IR-2023-23)。先月(2023年8月30日)、更なるガイダンスがIRSより発表され、課税・非課税の判断方法等の詳しい説明が公表されましたので、それをご紹介いたします。

所得税法上では、どのような形で受け取ったものであれ、全ての収入は、課税対象となります。ただし、3つの例外があります。

  1. 州税金の還付金
  2. 「一般福祉 (General Welfare)」に当てはまる支払い
  3. 災害救助金

州税金の還付金

基本的に、個人が支払った税金が戻って来たものは、収入にはなりません。

例えば、給与所得より$3,000の州税が源泉されていたのに対し、確定申告をすると実際の州税額が$2,500だった場合、$500が還付されます。これは、あくまでも個人が税金を多く支払っていた分の戻りなので、そもそもその個人のお金なので収入になりません。

もう一つの例は、州が$250を上限として確定申告書を提出した人に還付するという形で、住民をサポートしたとします。この還付金が個人の税金額を超えなければ、還付金は収入になりません。例えば、確定申告書上の州税額が$2,500に対し、給与から$2,500源泉されていたとすると、州の$250の還付金は個人の支払った税金の戻りとみなされ、収入となりません。

ただし、例外があり、前年度に、支払った州税を連邦確定申告書上の項目別控除(Itemized Deduction)で控除していた場合、翌年に戻ってきた還付金は、収入扱いとなります。これは、”Tax Benefit Rule”と呼ばれ、納税することによりベネフィットを受け取った場合は、それによる戻りは収入となります。実際は、項目別控除より基礎控除(Standard Deduction)を控除される方が多いので、この例外の対象となる人は少ないのではないかと思います。

「一般福祉(General Welfare)」に当てはまる支払い

法的に提供される社会福祉プログラムに基づいて、政府単位で個人の生活を保護する一般的な福祉の増進のためのものは、個人の収入に含まれません。一般福祉に当てはまる支払いは、政府機関からの支払いで、個人の基本的生活をサポートする一般福祉でなければならず、役務提供の対価であってはいけません。

例えば、市が特定したエリアに住む低額所得者に対する市政府からの住宅補助は収入に含める必要がありません。別の例で、アラスカ州が、州内居住促進目的で州内居住年数25年以上の住民へ補助金を出した場合の補助金は収入扱いになります。

1つ目の例は、住民の社会的生活を可能にするための福祉であるのに対し、2つ目の例は、個人の社会的ステータスや財務状況に関わらず支払われるものなので、一般福祉の範囲には含まれません。

災害救助金

連邦・州・地方自治体等の政府機関からの適格災害救助金は収入となりません。適格災害とは、米国大統領が適格災害と判断した災害が対象となります。COVID-19は、まさに適格災害となります。災害救助金には、役務提供への対価は含まれません。

上記のように、基本的な考え方は、お金をもらったら、それを確定申告書で報告する必要があります。ですが、それがそもそも自分が支払った税金の戻りであったり、生活していく為に必要な政府からの一般的福祉の範囲でのサポートであったり、災害救助金である場合には、収入に含める必要はありません。州からの支払いを収入として含める必要があるかどうかの判定は、IR-2023-23をご確認ください。ここには、2022年に支払われたものとして記載がありますが、同支払いが2023年に支払われた場合も同じ扱いになります。

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