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家族信託とは、財産管理の一つの手法であり、資産を信頼できる家族に託し、その管理・処分を任せる仕組みです。高齢化に伴う認知症などにより、この家族信託は日本で最近よく聞きます。

米国税法では、国内信託と外国信託の区別があります。家族信託は外国の法律で規定された、信託(トラスト)なので、外国信託になります。外国信託が一定の条件を満たす場合は、Form 3520-Aで報告義務があります。一定の条件とは、米国居住者、つまりビザで滞在している人の多く、米国永住権保有者、そして米国市民権保持者が、外国信託の所有者(オーナー)である場合です。オーナーの定義はとても難解なのですが、一般的には信託の持つ資産に一定のコントロールができる人であると考えられます。しかし、詳しくは専門家にご確認してください。

この条件を満たす場合にForm 3520-Aを毎年提出しないといけません。締切日は翌年の3 月15日、Form 7004をファイルすることで半年の延長をすることができます。Form 3520と違い、Form 3520-Aは、毎年提出を要求されます。気を付けましょう。最後に未提出に対するペナルティがあり、それは$10,000あるいは、米国居住者が所有している信託の資産の5%のどちらか高いほうです。決して低いペナルティではありませんので、要注意です。読者のなかで家族信託にかかわっている人は、このForm 3520-Aについて十分注意を払っていただきたいと思います。

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