教育費の為の出費に関しては、各種の税務上の優遇措置があります。下記に主な優遇措置をまとめてみました。

 

American Opportunity Credit > 
学位取得のために在学する 4 年間の大学の授業料について最高 $2,500までの税額が控除される制度です。

  • 適格費用として授業料、コース関連の教材と備品、学生活動費や運動費などの費用の合計$4,000まで
  • 最初の 適格費用の$2,000 までは 100%で計算し、次の $2,000 までは 25% ($500)で計算する
  • 対象者:納税者、配偶者、扶養家族
  • 条件:最低年度中 5 カ月以上学生 (Full-time Student)であること

 

このクレジットは調整後総所得の制限を受けます。2023 年度ですと夫婦合算申告の場合で $160,000 から段階的に減額され $180,000 でゼロになります。また、夫婦個別申告の場合、この税額控除は申請できません。

<Lifetime Learning Credit > 
学位や年数に関係なく専門学校、大学や大学院の学費について最高$2,000 までの税額控除が認められます。

  • 適格費用として授業料、コース関連の教材と備品、学生活動費や運動費などの費用合計$10,000 まで
  • 適格費用の 20%
  • 対象者:納税者、配偶者、扶養家族

このクレジットは学生 (Full-time Student) である必要はなく、どの科目の授業料であっても対象となります。但しこちらも、調整後総所得の制限を受け、夫婦合算申告の場合 2023年度では$160,000 から段階的に減額され $180,000 でゼロになります。また、夫婦個別申告の場合はこの税額控除は申請できません。

<IRA Withdrawal>

教育費に関する支払いのためのIRA口座からの引き出しは59.5歳未満であっても10%早期引き出しペナルティの対象とはなりません。

  • 適格費用として授業料、コース関連の教材と備品、学生活動費や運動費などの費用、寮費など
  • 対象金額は納税者が高等教育費用として認定されている範囲
  • 対象者:納税者、配偶者、子供、孫
  • 条件:大学や大学院で最低年度中 5 カ月以上学生 (Full-time Student)であること

<Student Loan Interest Deduction>

学生ローンの利息は$2,500を上限に課税所得調整前で所得から控除ができます。

  • 適格費用として授業料、コース関連の教材と備品、学生活動費や運動費などの費用、寮費、交通費、他必要な経費
  • 対象金額は納税者が高等教育費用として認定されている範囲
  • 対象者:納税者、配偶者、扶養家族
  • 条件:大学や大学院で最低年度中 5 カ月以上学生 (Full-time Student)であること

但しこちらも、調整後総所得の制限を受け、夫婦合算申告の場合 2023年度では$155,000 から段階的に減額され $185,000 でゼロになります。また、夫婦個別申告の場合はこの控除は申請できません。

Qualified Tuition Programs:QTP>

別名Section 529 Plan は、拠出時の節税効果はありませんが、収益は繰延されて適格な教育費の支払いに対しては非課税となります。

  • 適格費用として授業料、コース関連の教材と備品、学生活動費や運動費などの費用、寮費
  • 対象者:口座の受益者
  • 条件:K-12、大学や大学院で最低年度中 5 カ月以上学生 (Full-time Student)であること
  • 前払いのPlanとSaving Account Planの二つがある
  • 年間拠出額が$17,000を超えれば贈与税の対象となる

50 州すべてとコロンビア特別区がこの 529 Plan を後援しています。詳しくはそれぞれの州や大学に直接お問い合わせください。

Coverdell Education Savings Accounts: Coverdell ESA >

Coverdell ESAは、Education IRA とも呼ばれ、口座の指定された受益者に適格な教育費を支払うためだけに米国で設立された信託または保管口座です。

529 Plan と同様に、拠出時の節税効果はありませんが、収益は繰延されて適格な教育費の支払いに対しては非課税となります。

18歳未満の受益者一人に一年で$2,000まで拠出でき、それを超えた分には6%課税されてしまいます。こちらは調整後総所得の制限を受け、夫婦合算申告の場合 2023年度では$190,000 から段階的に減額され $220,000 でゼロになります。<項目別控除による所得控除>
最後の所得控除は勤務先の会社(雇用主)のために支出する教育費の支払いが、会社からの支給額または払戻額を超える場合、その自己負担額が調整後所得の 2%を超える金額を項目別控除で申請出来ます。

しかし、新しく成立された法律により 2018 年から 2025 年度までは申請できなくなりました。

参考:Publication 970 Tax Benefits for Education

https://www.irs.gov/pub/irs-pdf/p970.pdf

以上

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